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Vol. 05 荒井弥輝シェフ モンテネグロ 2012年6月
「和食がまだまだこれからの国」でチャレンジするパイオニア!
レバノン勤務を経て、現在モンテネグロにて働く荒井弥輝シェフです。
Chef's Profile
Vol. 03 森田省司シェフ 名 前 荒井弥輝 (あらい みつてる)
海外勤務 ベトナム(ホーチミン)⇒ドイツ(デュッセルドルフ)⇒イタリア(パドヴァ)⇒マレーシア(クアラルンプール)⇒ネパール(ルンビニ)⇒レバノン(ベイルート)⇒モンテネグロ(ティヴァト)
経  験 懐石、寿司、ジャパニーズフュージョン
Q 荒井シェフは、海外での勤務は10年ほどになり、いくつもの国で働いてきていらっしゃいますが、昨今は、どちらかと言えば最近は日本人が少ない(?)地域行かれているように思います。これは偶然ですか?それとも意図的にそういう国を選んでいるのでしょうか?
意図的にそういう国を選んできていますね。もちろん、自分が行きたいから行けるわけではなく、仕事のチャンスがそこにあったからであるわけですが、私は何ヵ国かで仕事をしてきていますので、海外で働くことに慣れてくるにつれて、徐々に日本人が少ないところ、和食がまだまだこれからのところで仕事をすることが、自分の中でのモチベーションや充実感につながっていると言えるかもしれません。
Q 日本人がいないところ、和食がまだまだこれからのところだとご苦労も多いと思います。そういう国での和食はどういった状況なのか?なかなか情報がないのですが、荒井シェフが仕事をしてきたレストランについて教えてください。モンテネグロは、まだ期間も短いとのことですので、レバノンについてお聞かせいただければと思います。
はい。私が仕事をしていたレストランでは、レバノン人とレバノンにいる外国人の20〜40代のカップルやご夫婦、ビジネスマンが主なお客様でした。お一人あたり80〜100USドルぐらいが平均の客単価でした。
人気だったのは、「和牛炙りwith フォアグラ (巻き)」(30USドル)、「シュリンプ & ハルミ ロールフライ (揚げ物)」(10USドル)、「ブルーフィン中トロタルタル on クリスピーライス (前菜)」(25USドル)といったメニューでした。
Q なるほど。レバノンには日本人の料理人としての先人がいなかったわけですから、メニューを作る際にレバノン人の好みを知り、テイストに合った食材や味付け、調理方法など、いろいろ工夫もなさったのではないですか?
そうですね。私は、まず現地の様々なレストラン(和食に限らず)に行って、ローカルの平均的なあたりを知ることから始めます。その後、自身の日本料理のスキル・経験を基にメニューを作り、更に微調整していきます。もちろんその過程では、現地スタッフの意見もよく聞くようにしています。
メニューの書き方にも工夫をしたりもします。メニューには、現地の方が好きな食材の名前をバランスよく配置し、目に留まりやすくしたりといったキャッチーな印象を持たせるなどのアプローチの仕方も考えます。また、お客様にお出しする際の演出も大事な要素です。巻物の炙りメニューは、私が直接お客様のテーブルに出向き、目の前で炙り、また石焼きビビンバなどは、ウェイターが目の前で調理する(混ぜる)など、シズル感も演出したりしました。
どの国でも現地の方が好む代表的な調味料やソースはあると思います。それはそれで必要でしょうが、お客様に新しい風を感じてもらいながら和食を理解し、楽しんでもらい、ファンになってもらうための本気の遊び(心)もあって良いのではないかと思っています。
私は和食がまだまだこれからの土地に行くわけですから、そんなようなことを考えながら仕事をしています。
Q 荒井シェフのような料理人が開拓者となって、和食がまだまだ珍しいという国で少しずつ知られ、定着していくことになるのですね。しかし、そういった国では、使いたい食材も手に入らないことが多いので大変でしょう。今いらっしゃるモンテネグロでは、その辺りはいかがですか?
食材が手に入らないのには、だいぶ慣れていますので大丈夫ですよ。モンテネグロで常に入手できるのは、豚肉、ラムあたりですね。もちろんシーフードもありますが、種類は多くありませんし、一定ではありません。
どこに行っても、手に入りにくいアジアの調味料や乾物などを扱っている中国系のお店があったりし、私もこれまで結構助けられてきたのですが、ここモンテネグロでは、そのようなお店もないですね。
Q そんな中、どのようなメニューを提供しているのですか?特にモンテネグロの特徴的な食材を使った料理などがあれば教えてください。
これといってモンテネグロ独特な食材はないのですが、豚とラムがとにかく美味しいです。ですので、どこの家庭でも作っている生ハムを使い、焼いた洋梨などと合わせて巻き物にしたりしています。他には、ラムシャンクのアドボやラムチョップの照り焼きなどもメニューに入れています。アドボは、ご存じのとおり、もともとはスペイン料理を起源としていますが、フィリピンのソウルフードです。私はアジアの調味料を使って調理していますが、ラムがトロトロのビーフシチューのようになります。ラムを使ったアドボは初挑戦でしたが、かなりの仕上がりです。ラムチョップの照り焼きは、以前に他の国でもお出しして たこともあるのですが、ここのラムを使うとこれがまた美味しい。仕上げに粉山椒や有馬山椒を・・・といきたいところなのですが、残念ながらここでは手に入りません。そこがちょっともどかしいところです。
ああ、ただこれらは「和」とは言えないかもしれませんね。現地の美味しい食材で仕上げたモダン、フュージョンといった括りで理解していただいた方が良いですね。
Q そういったところで現地の料理人からの情報を得たりしながらということなのでしょうね。現地の料理人の技術や調理知識・経験はどうなのですか?
モンテネグロに関しては、まだ来てそれほど時間が経過しておりませんので、とらえきれていないのですが、レバノンでは、レバノン人とフィリピン人のスタッフが勤務しておりまして、キッチン内がレバノン人、寿司バーがフィリピン人と分担していました。
レバノン人は元々フレンチの勉強をしていたシェフが多いので、感覚は悪くありませんが「我が道を行く」タイプが多いので常に軌道修正をしていましたね。例えば、私が一つのレシピを5人のレバノン人に渡したとします。結果は、五つのソースが出来上がります。しかし、それがどれも決して不味くはないんですよね〜。(笑)ただ包丁は使えませんね。これが一番厳しい所です。仕込み−完成が変わってきてしまいますからね。
フィリピン人は、どちらかと言えば手先が器用ですね。和包丁を持たせていますが、日本人シェフとの仕事経験が殆んどないので自己流にはなってしまっています。でもよく勉強しますし、カービングなんかも上手ですよ。女性シェフの数もかなり多いですね。全体的にレベルは低いとも言えず、けど高いとも言えないといった所でしょうか・・・。
Q 荒井シェフは外国人と働くことに慣れていると思いますが、その難しさや逆にだからやりがいを感じるということもあるのだと思います。その辺はどうでしょうか?
そうですね。やりがいは、スタッフの成長が目に見えてわかることですね。日本人の料理人と違い、和食のベースがない分、成長がわかりやすいです。ただ、日本人の私とレバノン人、フィリピン人と3つの国の人間が一緒に働いていますので、バランスをとるのは難しいですね。わかりやすい例を申し上げれば、給与は基本給が少ないので、チップをかなりあてにします。皆、その感覚が違うので、よく揉める原因になりますね。
Q そんなようなことも含め、円滑に仕事を進めるために荒井シェフが工夫しているようなことはありますか?特に荒井シェフがそのために現地の料理人に認めたこと、あきらめたこと、指導したことなど、具体的にお聞かせいただけませんか?
認めたことは、準備(仕込み)がきちんとできれば、多少出勤時間が遅れても良いとしました。その代りに、準備が間に合わないにもかかわらず、遅れてきた場合には、相当強く注意しますね。同じことを繰り返すようであれば、「チップなし」など、何らかのペナルティを科します。
逆に、ひどく疲れていたり、なんとなく悩んでいるように見えるスタッフには、積極的に声をかけ、一緒に一杯飲みに連れて行ったりしますね。スタッフ皆で行くこともありますが、具体的な話をする時は、その対象者個人を連れて行きます。特に私が注意をした後などは、そのアフターケアが大事ですからね。
こういった所謂「飲みニケーション」ですが、給料日前など、皆の懐が寂しい時は非常に喜ばれるものです。なんせお会計は、全部私となりますから・・・(笑)

諦めたことは、ありすぎて…。

ただ、私としても気をつけていることもあるのですよ。日本料理店で、私が日本人、料理長だからといって、日本の調理場のやり方を押し付けないということです。これは特に注意しています。自分自身、厳しい日本の調理場の中で育ててもらったお蔭で今があるわけですから、日本料理、親方、先輩などには大変な感謝をしていますし、そうした中でのやり方やそこで育った自分へのプライドもあります。ただ、海外ではまったく違い、通じませんからね。
Q 日本と比較して、モンテネグロの方がやりやすいと感じることはありますか?あれば、具体的にどのようなことでしょうか?
「・・・」という感じです。新しく来た国ですから、新鮮に感じたり、楽しいと思うことはたくさんありますが、正直やりやすいと感じることはあまりないですね。いくつもの国で働いてきていますが、日本ほどモノが揃っていて便利な国はないでしょう。少なくとも私は経験がありません。
Q 確かにおっしゃる通りですね。特に和食の調理という点からすれは、そうですよね。ちょっと料理からは離れて、モンテネグロの生活にについて教えてください。私たち日本人にはなかなか情報もない国ですので・・・。
まず、通貨はユーロです。物価はと言えば、タクシーが初乗り1ユーロ、バーガーキングよりも大きなハンバーガーが1〜2ユーロぐらいで買えます。日本にも馴染みがあって世界どこにでもあるようなお店だと、比較ができてわかりやすのだと思いますが、今私が仕事をしている街(ティヴァト)には、マクドナルドもスターバックスもないんです。
Q 治安面はいかがですか?
今のところはそれほど悪いとは思っていません。まあ、まだモンテネグロの生活は短いですからね。
ここに来る前のレバノンは、決して治安はよくありませんでした。現地の人間は今は大丈夫だと言いますが、いつ何が始まってもおかしくない状況下に常にあると考えていた方が良いという感じでした。実際に拉致や小規模のドンパチは結構ありましたし、デモで会社が休みになったこともあります。また、隣国の状況や国内選挙などで状況はすぐに悪化したりもしますしね。そういう時は、ローカルのスタッフが「明日は外出しない方がいいよ」とか、日本大使館から気を付けるよう連絡が入ったりしました。武装勢力と言われている団体もありますから、日本人からするとまだまだ危険な地域・国というイメージが一般的かもしれませんね。ただ、こちらでの武装勢力は、ヒーローでもあるわけで、実際に私も助けてもらったことがあるんですよ。
これらは、宗教の違いからくるものも大きいのですが、私の友達はクリスチャンもモスリムもいますが、皆良い人ですよ。ただ、一度事が起きてしまったら、お互いに戦わなければいけない立場にあったりするのです。日本人にはリアリティがないかもしれませんが・・・。
Q レバノンはそんな感じですか・・・。でも武装勢力に助けてもらうという経験をしている料理人はあまりいないでしょう。それはそれで貴重な経験ですね。ところで、レバノン、モンテネグロの魅力と聞かれたら、荒井シェフはどのように答えますか?
レバノン(中東を含め)は、歴史が深いですね〜。あと、食べ物が美味しいです。モンテネグロは、スローライフ・・・かな。
Q

荒井シェフはいくもの国で働いてきていますので、行く国行く国をこれまで生活した国と比較して見れるというのは、楽しいでしょうね。しかし、文化も違えば、宗教も慣習も違う国に行くわけですから、許容しなければならないこと、注意すべきことはいろいろとあると思います。その辺について、心がけていること等があれば教えてください。

仕事で言えば、まずは契約書。契約書の中には必要事項のほとんどが入っている訳ですから、よく確認し、足りない所は何度でも修正してもらうことですね。私は、契約書とはお互いの為に50/50の物だと認識しています。
交渉に関しては、アピールする力をつけること。我々日本人は、どうしても遠慮がちになってしまいます。後になってブツブツ言うよりも、少しでも気になったことがあれば、明確にクリアにしておくこと。これは、現地で仕事をはじめてからのストレス、体調管理にも関係してきます。
文化、宗教などは、好きで本を読んだりネットで調べたりしていれば自然と頭に入っています。そうすると薄っすらと国民性なども見えてくるはずです。
まあそうは言っても、実際行ってみると頭で描いていたことと現実のギャップに驚くことにはなりますが・・・。ただ、それをポジティブに捉えるのかネガティブに捉えるのか、その大きな差を少しでも埋めるのが情報収集だと思います。
信頼できる友達を作ると自然にこちらが受け入れるべきこと、相手側が受け入れられないことも分かってきます。
Q 日本を離れ海外に出てよかったことやご苦労などは?
もちろんたくさんありますよ。やはり異文化に直接触れて、料理に限らず様々なことを吸収できるのがいいですね。食材がない中で調理するのは大変といえば大変なのですが、私は限られた材料の中で創作するのも好きなので、楽しみといえば楽しみとも言えます。食材はあったらあったで悩みますし、なければないでまた悩む・・・詰まる所、食材はあってもなくても頭を悩ませることに変わりはありません。
Q 日本でのどのような経験や勉強がシェフの海外での仕事探しや仕事に役立つと思いますか?
まずは基本的な調理技術。その上に好きな国や勤務したい国の歴史、そして専門の料理以外にも見聞を広げる。さらに言うなれば、情熱と行動力といったところでしょうか・・・。
Q モンテネグロにいらしたばかりでこのような質問はどうかとも思いますが、モンテネグロの次は、どちらで仕事をなさるのでしょうか?その辺はイメージをお持ちですか?
まだわかりませんが、私はどこにでも行きますよ。これまで行ったことのない国がいいですね。
Q いやーたくましい。まだまだこれから、あちらこちら行ったことのない国でチャレンジが続くのですね。長期的な荒井シェフの夢は?
私は日本で自営の経験があるので、そう遠くない時期にどこかの国で自分で経営をしてみたいですね。
Q それは楽しみですね。これまでの各国での経験が凝縮されたお店になるのでしょうね。最後にこれから海外に出ようと思っている料理人の皆さんにアドバイスをお願いします。
前向きに、そして明確に海外で仕事をしている自分をイメージして準備してください。そして、来るべくして来たチャンスを逃さないように常にアンテナを張っておくようにした方が良いと思います。Step by step チャンスは必然です。
一度チャンスを得たら、どこに行ってもしっかり仕事をすること。そうそればそれなりに次のオファーはあるはずです。
荒井シェフ、長時間に渡り、いろいろお聞かせいただきました。レバノンやモンテネグロのお話は、なかなか聞ける機会もないので、これをご覧になった方々も興味深くお読みになったものと思います。次の機会には、私たちにとってあまり馴染みのない国のお話がまた聞ける?のでしょうか。楽しみにしています。お忙しいところありがとうございました。
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